インド亜大陸の最南端(カニャークマリ)まで行くことを決断

ウダイプルからアフマダーバード(Ahmadabad)へと移動。走行距離296km。

プシュカルあたりから気温が上がりはじめたが、さらに気温が上昇。猛烈な高気温と熱烈な直射日光が体力を奪う。走りだして30分もしたら意識が朦朧としてくる。まずい、リアルに熱中症リスクも考えなければならない。12時から15時あたりの時間帯はもう無理。

80kmとか、90kmとかのスピードで風を切り裂いても、まったく涼しくない。これは、どこかに超巨大ガス・ストーブが何十基もあって、熱風を送り出しまくってるに違いない。それか、もし天国と地獄が実在するならば、地獄から直輸入してきた空気であるに違いない。

クラッチレバー、ブレーキレバーでさえ触れたくないほど、熱くなっているし、ガソリンタンクに付いていたゴムはいつのまにか溶けてるし。「地球の歩き方」のアフマダーバードのページを見ると、3~6月の暑季には最高で50度ぐらいまで気温が上がると書いてある。50度って、笑うしかないでしょ。道端のお店に水を買いに行くときや、レストランに入るときも、東洋人(Oriental)が珍しいからっていって、頼むから話かけないでくれ。言葉を発する気力もないんです。オーラを消して入る。

今までは、長距離移動の疲れだけを相手にしていれば済んだが、これに猛烈な高気温と熱烈な直射日光という新しい敵が加わってしまった。体力を奪いにダブルで攻めてくる。新しい作戦が必要だ。

そんな感じの瀕死の状態でアフマダーバードに着くが、この街も相変わらず車両数が爆発している。地図を見ると、デリーとムンバイを繋ぐような場所に位置している街なので、それも頷ける。今までの街のなかで交通カオスNo.1、かも。それにしても、人口が爆発しているのに、なぜ、中国のように人口に見合った大スケール感で街を作らないのだろう?これがインドに対する僕の最大の不満点だ。中国を見習いなさい。

車両数が爆発しているということは、排気ガスもすごいわけで、街をバイクで走るだけで目がしょっぱい。いや、インドの街は基本的には目がしょっぱくなるんだけど、ここアフマダーバードは特にしょっぱい。

テキツーなホテルにチェックインして、シャワー浴びて、夕方頃に外に出てみると、どんよりのしかかってくるような重さのある暑さ。鬼のような渋滞がもたらす高ストレスと、のしかかる高気温から、ビールが飲みたくなるが、アフマダーバードが属するグジャラート(Gujarat)州は禁酒法により酒が飲めない。

なんてこったい。向いてない、早く出るべ。

—。

そして翌日、すぐに移動。アフマダーバードからヴァドーダラー(Vadodara)へ。走行距離178km。

超巨大ガス・ストーブは相変わらずどこかで、今日も稼働しているようだ。暑すぎるぜ。冷たい水を買っても、すぐにお湯になる。水を飲んでるってゆーか、もう、入れてるって感覚。

そんななかをゆく、一台のサイクリストを目撃。ヨーロピアン風。こんなド暑い、そしてトラックやバイクがびゅんびゅん飛ばすなかを、自転車だぁ?まじで?バイクを飛ばしていたので、その姿が視界のなかに入ったのはほんの3,4秒だろう。だが、同じ道をゆく同志として、彼の苦労や勇気が、まるで自分のことのようにわかった気がした。

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■腕の部分が白と黒、くっきり日焼け

一方の僕は、「くそ暑い、日焼けがひどい、腰が痛い」など、しょぼい言葉しか口にしていない。なんて情けないんだ。バイクに比べりゃ、音も出ないし動きも遅い。とろとろ静かでおとなしい。だけど、バイクには出せない、爆発的なかっこよさがそこにはあった。まわりの人に勇気を与えるような。涙が出そうになるほど、かっこよかった。僕も人に勇気をあたえる男になりたい。

そう考えると、バイクというのはロマンなのだろう、と思った。当初、インドでのバイク旅はゴアあたりで終了しようかと地理的にも、気持ち的にも中途半端に考えていたが、バイクはロマンであるならば、果て(カニャークマリ)まで行ってやろうという気になってきた。「果て」はロマンの極みだろ?

ということで、インド亜大陸の最南端まで突き進むことを決断。うぃす。

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