観光汚染

Fatehpurは小さな街なので、少し歩くだけで街の全体像が十分にわかった。

今日の朝、バラナシを出たときは覇気がなく、へなへな状態だったが、風を全身で切り裂きながら爆走移動したら、ある程度、覇気が注入されたようだ。朝とは別人。と言っても、本調子ではないので、夜のディナーはバナナにしておいた。

部屋に戻っても、薄暗い上に小汚いだけなので、宿の受付のところでバナナを食べていると、向かいのケータイ屋の主人がここに座りなさい、と。すると次第に人が集まってきた。7人くらいで、2時間ぐらいは話をしていたと思う。7人と言っても、主に話すのは英語のできる2,3人で、あとの人たちはただ見てるだけ。

tata-docomo
■TATA DOCOMO(タタ・ドコモ)の広告、DOCOMOとは日本のdocomoのことです

こういうときに必ず聞かれることのひとつが職業についてである。What do you do?だ。僕は長期旅行者なので職業なんてものはない。かつ住民票も抜いてきているので、住所不定無職と言うのが正解なのだが、それをインド人に説明したとこで、相手はあまり納得してくれない。なので、コンピューター・エンジニアと言うことにしている。

これが効果抜群だ。相手は質問の回答として十分に満足してくれるし、それ以上の発展があった場合でも、ハードウェアかソフトウェアなのか、どこの会社だ?ぐらいにとどまる。嘘も方便といったところか。

それが発展していくと次は給料の話だ。話していたうちのひとりは、わりと自慢げに「1年にファイブ・ラック稼ぐ」と言っていた。ラック(lakh)とは10万の単位のことのようで、つまり、50万ルピー(約100万円)稼ぐとのことだ。ほうほう。

その彼と彼のボスは今度、中国でジムをオープンするとか言っていた。ジムがトレーニング・ジムか何なのかわからなかったが。そういえば、ブッダ・ガヤーで泊まっていたときの宿のオーナーは中国に中国語を習いに行っていたと言っていた。そして今度、インド料理店をオープンさせるとのこと。世界第2位の人口を誇る国の人たちでさえも、自国内にとどまらず、外に出ていくようだ。

世界がグローバル化していけばいくほど、言語の重要度が上がっていく。世界を周っていると、それを肌で感じることができる。日本にいては頭ではわかっても、実感できないと思う。

taj-mahal
■タージ・マハル(Taj Mahal)、近くでくっきり見るよりも、遠くからぼんやり見たほうが、ずっとセクシー

あとは、Girl friendはいるか?というのもお決まりだ。これはもう世界共通だ。だが、インドでは、How many girl friends do you have?と聞かれることも多い。日本人的には、え?って感じだが、Good moneyはGood girlらしい。時は金なり、金は力なり、だ。1 wifeで、5 girl friendsという猛者もいた。彼の職業はコックだった。

翌日。早起きして宿をチェックアウト。目指すはタージ・マハルで有名な街「Agra(アーグラ)」だ。NH2をひたすらぶっ飛ばす。アーグラに着く。あー、観光地ですね、客引きうざい。バラナシ(観光地)、Fatehpur(非観光地)、アーグラ(観光地)と周るとよくわかる、観光汚染されているのが。

mosque-floorpattern
■タージ・マハルの左側(西側)にあるモスクの床パターン

短期旅行者というのは基本的に観光地しか行かないと思うが、ということは、観光汚染されている街しか行かないというわけで、それだと、旅行者側から見ても、インド側から見ても、お互いに損をしている部分があるんじゃないかと、そんな心配をしてしまう。Fatehpurからアーグラまで進んで、走行距離386km。

masanoria_336