顔に穴をあけるかのごとく視線が集中

バングラデシュに入国した。小学生だか中学生の頃、社会かなにかの教科書に載っている世界の国旗を眺めていて、日本と同じデザインの国旗があることに驚いた覚えがある。国名は「バングラデシュ」だった。

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■バングラデシュ国境の街「Benapole」にて。実は、円は中央ではなく微妙に左寄り

それから十数年の時が経ち、25歳の僕はその「バングラデシュ」にやってきた。当時の僕は、まさかその国に将来行くとは夢にも思っていなかったろう。人生は何が起きるかわからない。

インドのコルカタから地下鉄、鉄道、オートリキシャーを乗り継ぎ、陸路で入国した。インドのイミグレの出国審査官が着ていたジャケットに目がとまる。「ん?」胸の部分にバッジ。そして、「U.S. AIR FORCE」と書いてある。「アメリカ空軍?」ここはインドとバングラデシュの国境。極めてフォーマルな場所のはず。「制服着ないの? or ないの?」それにしても、よりによって「U.S. AIR FORCE」はまずくねえ?

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■Jessoreの街並み、2010年1月14日の

旅人から「バングラデシュでは外国人が珍しいから、みんなじろじろ見てくるよ」と聞いていたが、まさにその通りだった。オートリキシャーで移動してても、道端から声を掛けられ、手を振られる。バスで移動してても、顔に穴をあけるかのごとく視線が集中。

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■地元の人で賑わってそうな店で朝食、美味い、20TK(約26円)

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■バングラデシュの通貨・タカ(BDT)、ほとんど穴あいてるじゃねえか

だから、ホテルから朝出るときも、ぶすっとした顔はできない。常に見られる状態なので、「今、自分がどういう表情をしているか」に自然と神経が行く。まるで俳優が舞台に出ていくかのような感じだ。ちょっと落ち着こうと思って、チャー屋(インドでいうところのチャイ屋)に座っても、どこからともなく、すぐに人だかりになるし、レストランでカレーを食べてても、従業員・他の客から凝視される。

芸能人・有名人っていうのは常にこんな感じなのだろうか。キムタクがオープン・カフェで一人でくつろいでたら、そりゃあすぐに人だかりになるだろうし、浜崎あゆみが食堂で一人でメシ食ってたら、従業員・他の客から凝視されるに違いない。バングラデシュではスター気分が味わえる?

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■速攻で人だかりが集合@「Daudkandi」という小さな街にて

しかし、こらあ大変だわ。街中では落ち着けない。たまーにならいいけど、毎日はキツい。「ひとりにしてくれよ」って。そして話しかけられる内容もだいたいワンパターン。

「your country?」、「you buddhist?」、「you marry?」と聞かれることが多かった。ちなみにバングラデシュには15日間滞在していたが、見かけた外国人旅行者はたったの10人だった。

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