ダミー(Dummy)なダミエ(Damier)

ジョージタウンから乗ったバスは深夜1時過ぎにクアラルンプールに着いた。バスの窓から見た景色の変化は、韓国の釜山からソウルへ向かうバスのそれと相対的に似ていた。都会である。

そして、チャイナタウンにある安宿のドミトリーに泊まることにした、値段は1泊12リンギット(約360円)、都会の割に安い。ちなみに僕がマレーシアで宿泊した宿では、そのすべてでWiFiが無料で使えた。そういう宿を探したわけでもなく、である。

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■マラッカのチャイナタウン、夜は赤の灯りで統一。マラッカは2008年に世界遺産登録されている

マレーシアに入って印象的だったものにビールとタバコがある。マレーシアはイスラム教国。イスラム教ではお酒は基本禁止である。と言っても、セブンイレブンでも売られているし、中国系の食堂では普通に飲めるところも多い。ここらへんは多民族国家ならではと言った感じだ。しかし値段が割高だ。中国系の安食堂でも、缶ビール1本が7~8リンギット(約210円~240円)はした。隣の国・タイだったら、セブンイレブンで1本25バーツ(約75円)で買えるのに。

あとはタバコだ。はじめてマレーシアのタバコを見たのはセブンイレブンでだった。パッケージに付いてる写真がグロ過ぎなのだ。のどちんこがビー玉くらいに巨大化し、なおかつ線香花火のように真っ赤になっている。そしてのど元に穴が空いている。レジ越しに見て、固まってしまった。ひどい。こんなものを常にポケットやカバンに入れて持ち歩くのはツラい。取り出すたびにツラい。

クアラルンプールのチャイナタウンは夜になると、通りを屋台・露店が埋め尽くす。カルバンクラインやアルマーニの下着、ナイキのスニーカーにティンバーランドのブーツ、ブランド物の時計、ルイ・ヴィトンやプラダのバッグにサイフ。まぁ、こんな感じでどこの店も似たり寄ったりのモノを売っている。ルイ・ヴィトンのサイフが一体いくらで売られているのか興味があったので、少しのぞいてみることにした。

「高級ブランド品が路上で売られている=ニセモノ」なわけで、テキトーなサイフを指差して「これ、ダミー?」って聞いたら、「これはモノグラムで、こっちがダミエだ」と返ってきた。一瞬「?」だったが、すぐに「そっちで捉えたか」と笑った。店員の対応は素だったと思われるが、これが確信犯であったなら、相当高級なギャグだ。

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■これ食べたら他のは全部ダミー。ってほど美味かったハイナンチキンライス(海南鶏飯)

こういうときは、ダミー(dummy)より、フェイク(fake)と言った方がよりベターなのかも。そして話をしていくと、ここに置いてある品物は全部ニセモノで、その中にもランクがあって、2つを並べて見せて「どうだ、こっちの方がホンモノっぽいだろ」って真剣に解説してくるのが妙に可愛く見えた。出身を聞くと、ネパール・ミャンマー・タイ…。みなさん周辺諸国から商売しに来ているようだ。

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■マラッカで宿泊した明るく・清潔で・開放的なドミトリー、1泊15リンギット(約450円)

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■セブンイレブンの求人募集ポスター @ マラッカ

時給3,5リンギット(約105円)、月給650リンギット(約19,500円)ということだろう。僕が見た範囲で言えば、マレーシアのセブンイレブンで働いているのは主にマレー系の人たちであった。華人系をひとりも見なかった。それは顔をみればすぐにわかる。これはマクドナルドでも当てはまった。そして、トライショーの運転手、道路の工事現場、フードコートの掃除係、チャイナタウンの深夜の掃除係…。これらの仕事に従事している人を見ていると、ほとんどがマレー系だった。これらはすべて給料の低い仕事である。どうやら人種間で明らかに収入格差があるようだ。調べると、マレーシア経済は華人系が牛耳っているとのことだ。

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