台中、豐原、新竹、台北

嘉義から台中(Taichung)へ向かって走っているとき、後ろから来た台湾人のサイクリストから話しかけられた。名前は劉さん。いつものように、まずは中国語で話しかけられる。が、僕が日本人だとわかると、英語に切り替え。これもいつもの流れだ。2人で話しながらしばらく走った。

「たいてい、どのくらいのスピードで走ってる?」の僕の問いには、「40km」と劉さん。速い。僕の場合、「フラットの道で、疲れておらず、風向きが負担にならない」という場合で、だいたい25kmほどの時速だ。40kmはとんでもなく速い。ひいい。劉さんがメシでも軽くどうだ?というので、もちOK。

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■まるで、自分の自転車かのように見ていただいた @ GIANT shop

北斗(Beidou)という街。劉さんおすすめの店へ。その前に、セブンで缶ビールを調達。この街は肉圓という食べ物が名物のようで、通りには肉圓の店がたくさんある。そのなかでも、混み合っていて人気のありそうな店へ。肉圓をつつきながらビールで乾杯。ウマい。僕がテントで寝泊まりしていると言うと、なにやらケータイで電話を掛け始めた。それをいきなり渡される。Hello!

電話先の相手は、どうも台中にある東海大学(Tunghai University)の学生のようで、「台中に来るなら、東海大学で、You can rest here!」とのこと。テントの設置場所を探すのはわりとダルい作業なので、「じゃぁ、今日は東海大学でテント張るか」と。

食べ終わって店をあとにするときには、店のボスからミネラル・ウォーターの差し入れを2本頂く。お会計は劉さんの奢り。そして、次は近くの自転車屋に行くという。GIANTのショップへ。店のスタッフと話して、僕の自転車をチェックしている。チェーンに注油したり、タイヤに空気入れたり、ブレーキを調整したり…

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■東海大学の入り口前のエンブレム。日本の東海大学(湘南キャンパス)より全然デカい

なんか調子悪いっぽいのは感じていたが、このくらいならまだ大丈夫だろうと、見て見ぬふりを続けていたのだ。乗り心地最高になる。そして、メンテナンス費用はタダ。なんか、いろいろありがとう、劉さん!劉さんは自宅がこの近くにあるようで、ちょっと寄って行くから、夜に東海大学で会おうと約束をして別れた。

そして、僕はひとりで台中に向けて走る。

台中の東海大学には結局、22時過ぎに着いた。劉さんは、22時30分頃に着くように向かうと言っていたが、いかんせん、この東海大学デカすぎる。もう、ひとつの町ぐらいある感覚だ。結局その夜、劉さんと会うことはできなかった。テキツーな場所にテントを設置して、寝た。

嘉義から台中まで移動して、走行距離118km。

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■茄香肉粽(左)と大腸加蚵仔麺線(右)。どっちも激ウマ @ 台中

次の日の朝、大学の構内にあるセブンイレブンで木瓜牛乳と菓子パンでいつものように朝食をやる。「もしかしたら、劉さんも何か買いにここに来るかも」と期待していたが、彼が現れることはなかった。

最後にお礼が言いたかった。最初のセブンのビールも彼の奢りだったし、別れ際には、暗いからと言って、自分のテールランプを貸してくれていたのだ。なんか、神様みたいな人だったなぁ。

台中から豐原(Fengyuan)まで移動して、走行距離57km。

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■テントを分解するとこうなります。骨はしならせてテントに通します @ 豐原のとある公園

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■ゴールの台北まで、いよいよあと45km!

その後というもの、豐原から新竹(Hsinchu)まで移動して、走行距離116km。そして、新竹から台北まで移動して、走行距離85kmと確実に距離を重ね、無事、自転車による台湾一周の旅はゴールを迎えた。インドのバイク旅の時と同様に、無事故でゴールできたことがなによりである。全走行距離は1,368kmだった。

めでたし、めでたし。

—。

そして現在、6月10日。明日の朝のフライトで成田に飛ぶ。そう、僕の世界放浪の旅は終わる。約10ヶ月に及ぶ旅だった。明日からは日本だ。ホームだ。日本語で誰と何でもを話せる。どんな風に感じるのだろう?新しい視点で何かが見えてくるのであろうか。とにかく、楽しみである。うす。

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